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新潟市教育長インタビュー

「学・社・民の融合による教育」が実現できていると教育長。図書館を活用したその教育行政施策とは・・・

■新潟市(新潟市紹介のホームページから転載)
 みなとまち。みらいまち。新潟市

新潟市は古くから「みなとまち」として栄え、明治22年の市制施行以来、近隣市町村との合併によって人口約81万となり、平成19年4月1日には本州日本海側初の政令指定都市となりました。
本市は、整備された高速道路網や上越新幹線により首都圏と直結しているなど、陸上交通網が充実しているほか、国際空港、国際港湾を擁し、国内主要都市と世界を結ぶ本州日本海側最大の拠点都市として高次の都市機能を備えています。一方で、広大な越後平野は、米のほか、野菜、果物、畜産物、花き類など、農畜産物の一大産地です。また、日本海側に面し、信濃川・阿賀野川の両大河、福島潟、鳥屋野潟、ラムサール条約登録湿地である佐潟といった多くの水辺空間と里山などの自然に恵まれています。

所在地:〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1
電話 :025-228-1000(代表)

(参考) 1.新潟市教育ビジョン  2.新潟市の学校教育  3.新潟市の教育



教育長 前田秀子氏 インタビュー

教育長 前田 秀子 氏

特別インタビュー 新潟市教育長インタビュー 前田氏【略歴】
・昭和55年12月 新潟市入庁。健康福祉部こども未来課長、教育委員会教育総務課長、地域・魅力創造部広報課長、東区長を経て、平成27年4月より 新潟市教育長

本日はご多用の中、ありがとうございます。また、市立中央図書館を初め、市立学校の取材にご協力頂き、感謝申し上げます。
はじめに、「新潟市が目指す子どもの姿、学校の姿」について伺います。

【教育長】

・政令市移行を控えた平成18年、「学・社・民の融合による教育」を根幹に据えた新潟市教育ビジョンを策定しました。「学力・体力に自信をもち、世界と共に生きる心豊かな子ども」そのような子どもの姿を目指しています。(今回のテーマである)教育と読書活動については「新潟市子ども読書活動推進計画」によって、子どもたちが本との豊かな出会いができるように進めています。国際社会の中で主体的に生き、未来の新潟を担う子どもたちには、本市への愛着と誇りをもってほしい。確かな学力を身に付け、自己肯定感を高め、予測困難な未来社会を生き抜く力を育てたい。人口減少、超少子高齢化、国際化、情報化、技術革新などが進んでいますが、どのような社会になっても、子どもたちには自信と希望をもってあきらめずに挑戦してほしい。他を思いやる心をもち、立場の違う人たちとも協調しながら課題解決に向かっていってほしいと思います。日頃から、先生方には「しなやかでたくましい子ども」の育成をお願いしています。読書は知識や語彙量を増やし、さまざまな考えや非日常的な世界に触れて、情緒を豊かにします。新潟市では、感性や想像力豊かな子どもを育むさまざまな施策を行っています。

図書館教育の取組などで、どのような点が上げられますか。

【教育長】

・やはり人です。新潟市では(合併前の早い時期から)、学校司書の配置に取り組んできました。市町村合併の際、これまで司書を配置していなかった市町村にも全校配置し、機会あるごとに「全校配置」をPRしてきました。全国学力・学習状況調査を見ますと、小学校では全国で上位ですし、学校図書館にいく割合も高い状況です。これは読書によって、基礎学力をつけていることに結びついていると思います。

*昭和36年に市内36校、平成10年には市内小中学校全88校に配置完了。平成18年に合併地域の全小中学校に配置を終え、現在163全校に配置。平成29年度からは特別支援学校2校にも司書を配置。

また、平成20年度、西川図書館に学校図書館支援センターを設置し、学校への訪問、学校からの相談対応などを行う専門の担当(学校司書経験のある公共図書館職員)を置きました。その後センターを拡充し、現在、4センターで全校の学校図書館を支援しています。担当職員の熱意には感心します。定時で帰宅するよう勧めても帰らない人が多い。(笑)

・新潟市は「市民力、地域力が高い」との評価があります。地域は学校の大切なパートナーです。高校を除く、市立学校の全校に地域教育コーディネーターを配置し、連携を図っています。地域の学校ボランティアは平成28年度延べ27万人弱を数え、登下校の見守り、防災訓練等の学校行事で協力を頂いています。学校図書館関連では、読み聞かせや蔵書点検の作業補助などを行っています。(お互いが顔なじみの)地域の方々が学校で活動していることが、(セキュリティの上で)安全との意見もあります。「学・社・民の融合による教育」を実感しているところであり、うれしく思います。

※地域教育コーディネーターは地域の住民から選ばれる。学校を整備する際は、ボランティア(活動)室も設けられている。なお、八戸市も同様の制度をとっており、このサイトで紹介している。

子ども読書活動推進計画の重点テーマとして、「特別支援教育の推進」がありますが。

【教育長】

・検討を重ね、平成29年度から特別支援学校2校に学校司書を配置しました。学校の図書館に行きますと、「本が少ない、どのように活用しているのか良くわからない」とも思いましたが、まず、「学校司書をおくことから始めよう」と考えました。学校には、本を好む子どもたちがいますので、学校図書館の基盤整備を進めています。昨年度は予算的な対応をとって、本を追加購入しました。4月からは学校司書も図書館担当教員と共に動き始めました。蔵書の電算化も行っています。

*新潟市には、東特別支援学校、西特別支援学校2校がある。2校とも今回取材し、学校図書館を紹介している。

学校図書館活用推進校事業とは、どのようなものですか。

【教育長】

・新潟市では学校図書館の活用を重点的に取り組む「推進校」を指定しています。推進校では活用を計画的に進め、その実践を学校間で共有することで、他校で参考となるよう情報の提供をしています。(推進校の)校長先生は、先頭に立って読書活動を進めています。校長先生の理解は極めて大切です。

(中央図書館職員補足説明)

・平成27~31年度の間、毎年、推進校として小中学校の約30校が取り組み、5年で全校が一巡します。すでに読書活動を熱心にしている(一定レベルになっている)学校では、重点テーマとして、調べ学習に取り組むことが多いです。図書館の年間活用計画を作成し、授業に組み入れています。市立図書館では資料提供や相談などで手厚くサポートしています。

*新潟市立白根小学校の記事で、詳しく紹介している。尚、教育委員会のホームページにも各校の取組が掲載されている。

学習以外での活用効果はありますか。例えば、「ケアが求められる子どもたちの居場所」として図書館は効果的との意見がありますが。

【教育長】

・朝読書が全校で実施されています。朝読書を行うことで、落ち着いた雰囲気で1日が始まり、授業へもスムーズに入れると聞いています。また、学校図書館は学校の中で子どもたちの居場所でもあります。特に中学校ではその傾向があり、「第2の保健室」の役割も担っています。学校司書が常駐していることが、子どもたちに受け入れられている点だと思います。

最後に新潟市の子どもたちにメッセージをお願いします。

【教育長】

・読書は楽しい。言葉や表現力を学べ、知識も増える。さまざまな人たちの考えが分かる。歴史やその中で生きてきた人を知ることができる。また、物語で空想の世界を広げることもできる。一人の読書もいい、友達と語り合うのもまた楽しい。本は頭と心に栄養を与えてくれる。悩んだり、落ち込んだりした時には「心の友」にもなる。是非、沢山の本を読んでください。

特別インタビュー 新潟市教育長インタビュー 前田氏、三保氏、青野氏 中央 前田 教育長
右  三保 中央図書館長 
左  青野 (司書)中央図書館職員

お忙しいところ、ありがとうございました。



取材後記

・8月28日、文部科学省は10回目となる全国学力・学習状況調査の結果を公表した。昨年度までの都道府県別(公立校の)正答率に加え、今回から政令指定都市が加わった。新潟市の小学6年生は国語A、Bで全国トップクラス、算数A、Bでも全国平均を上回る。中学3年生も、ほとんどで全国平均を上回っている。教育委員会の諸政策、学校長や教員・学校司書の取組、市立図書館との連携、地域ボランティアの参画、そして歴代の市長方針が相まっての成果が、この数値に表れている。平成27年度から開始した学校図書館活用推進校事業の重点テーマは調べ学習。課題解決力、探究力を高めることの狙いと思う。国語、数学(算数)にある"B"科目もさらに向上し、トップクラス入りすることを期待している。

(菅原)



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