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大崎市図書館(宮城県)-学校連携-

(2020年2月15日取材)

基本情報

元気な学校図書館プロジェクト 大崎市図書館 外観所在地:〒989-6162 大崎市古川駅前大通四丁目2-1
電話:0229-22-0002/FAX:0229-24-2220
E-mail:toshokan【★】city.osaki.miyagi.jp
(【★】を@に替えてください)
HP:https://www.city.osaki.miyagi.jp/index.cfm/18,0,73,html

(2020年3月現在)

大崎市図書館運営方針(抜粋)

(4)子どもの「生きる力」を支えます
現在の学習指導要領でもあるように、次世代を担う子どもたちが社会において必要な「生きる力」を身につけられるよう支援します。読書をするだけではなく、思考力・判断力・表現力などが身につくよう、学校や保護者と一緒に必要な支援をしていきます。

サービス計画(抜粋)

3 対象者別サービス
(10)学校支援
先生や学校司書を通して、子どもたちの学習や読書などに必要な図書などを貸出しすることで、子どもたちの学習を支援します。
また、事前に申込をしていただくことで、ブックトークや読み聞かせ等の出前講座を実施したり、学校図書館整備の支援や相談にも対応していきます。

取材にご協力いただいた方々

集合写真
取材に対応いただいた横山館長、司書・村上さん(右側左から)

図書館基本情報

年間の蔵書数、貸出冊数、入館者数

蔵書数:平成29年度 219,640点、平成30年度 234,559点
貸出冊数:平成29年度 513,336冊(7月20日から3月31日)、平成30年度 710,004冊
入館者数(延べ):平成29年度 256,574人(7月20日から3月31日)、平成30年度 314,297人

大崎市と図書館

・大崎市は平成18年3月31日、古川市、松山町、三本木町、鹿島台町、岩出山町、鳴子町、田尻町の1市6町が合併し、「大崎市」として発足。面積は約797平方キロメートルで東京23区全体より広く、しかも東西に約80キロの長さを有する。人口は約13万人である。平成31年4月現在、小学校25校、中学校13校、高等学校9校(うち中高併設型各2校)、特別支援学校1校がある。
・大崎市図書館は、旧古川市図書館が合併後も引き続き大崎市図書館として運営されていたが、老朽化に伴い新しい図書館等複合施設が整備され、平成29年7月に開館した。地元の鳴子産の杉をフローリング等に使用しており、木のぬくもりと安らぎを感じる空間になっている。多目的ホールと研修室も併設され、多くの市民に利用されている。市内には他に公民館図書室が6室あるほか、移動図書館車「きらり号」が市内を巡回して貸出などを行っている。

・入口を通ると、正面には広々とした児童コーナー。低い本棚が開放的な印象を与えるほか、靴を脱いで子どもと一緒にゆっくりと本を楽しめるスペースもある。

児童コーナー

靴を脱いであがれるスペース

CD/DVDコーナー
・一般書コーナーには生活に役立つ資料をテーマ別にまとめてある。雑誌コーナーも200誌以上が揃う充実したスペースとなっている。
・2階のティーンズフロアは100m近くある細長いスペースだが、図書だけでなくCDやDVD・雑誌まで揃っている。書棚の反対側は閲覧席になっており、秘密基地のような贅沢な空間である。

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学校連携、これまでの歩み

●平成18年度
・学校図書館支援員(週1~4日勤務、1日4時間まで、司書資格の有無は問わない)の配置を開始。
●平成20年度
・大崎市子ども読書活動推進計画を策定。
●平成30年度
・第2期計画へ改定。

具体的な活動内容

1. 小中学校への支援

・平成30年度には、小学校18校に対して112回、中学校2校に対して4回の貸出を行ったほか、小学校14校、高等学校3校からの図書館見学、小学校1件、中学校7件の職場体験学習を受け入れた。
・小学校2校の要請を受けて、図書まつりとブックトークへの支援のため、職員を派遣した。
・小学校などへの団体貸出などは児童サービスの一つとして児童担当が行い、中学・高校向けサービスはティーンズ担当が行っている。
・令和元年度には全小学校への訪問調査を行った。これを踏まえ、各学校図書館の現状と課題に沿った支援につなげていくこととしている。
・学校図書館における職員体制がまだ整備途上であるため、学校司書や教師を支援するため、館内に教科書コーナーを設けている。教科書に掲載されている本をまとめて置き、何年生の何の教科で紹介されているか、一目でわかるようになっている。

教科書コーナーの書架

教科が一目でわかるラベル

2. 高校との連携

・平成30年度には7校に対して58回の貸出を行ったほか、3校からの図書館見学、2件の職場体験学習を受け入れた。
・2階のティーンズフロアの一角で、期間を定めて大崎圏域の高校が交代でおすすめ図書を展示している。表紙を向けて並べられた書棚を中心に、左右の黒板には図書委員たちが作った紹介POP、写真入りの学校紹介など、展示方法は各学校にお任せしている。チョークでイラストを描くこともある。
 取材時には小牛田農林高校による展示だったが、和牛に関する本や農業をテーマにしたマンガなどが紹介されていた。図書リストを見るだけでも、各学校の個性が伝わってくる。受験する高校を選ぶ中学生や親御さんも興味を持って立ち止まってくれる、とのこと。

ティーンズコーナーの展示

大崎圏域の高校の図書委員が作成したPOP

図書委員に日頃の活動の成果を発表する機会を提供する。資料貸出とはひと味違う、ユニークな学校連携活動である。

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図書館紹介

・館内には大崎市の宝大使を務めておられる版画家・大野隆司さん制作の掲示などが、さりげなく、でもあちこちで見つけることができる。

医療コーナー
・大崎市図書館では、医療情報にも力を入れている。がん情報コーナーは、宮城県内でもまだ珍しい、診療ガイドラインも揃う充実ぶり。無料で手にすることができるがん情報冊子は大崎市民病院との連携から生まれたもので、自宅でゆっくり読みたい人に好評。また、大崎市民病院や医師会とも連携し、出張図書館なども行っている。

・書棚の小見出しにも司書のみなさんの本に対する思いが込められている。

・時にはこんな、ちょっと笑ってしまうものも。

とりあえず、ビール

・大崎市図書館と言えば忘れてはならないのが、人間より大きなヒグマの剥製。旧古川市出身の兄弟が故郷への記念として寄贈し、旧大崎市図書館では入ってすぐの所に置かれていたが、現在は2階の複合施設の一角に移設されている。

くま

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取材後記

・住民に愛される図書館には、共通する一つの特色があるように思う。それは、入ったときの空気である。優しく、温かく包み込まれるような気分になるとき、この図書館は住民に大切にされているのだな、と感じる。
・大崎市図書館は正にそんな図書館の一つである。単に新しいからではない。単に木をふんだんに使っているからでもない。住民の知りたいという欲求に真摯に応えて資料を収集・提供する職員の方々の懸命な営みと、それを住民が遠慮なく利用・活用することとの相互作用が日々積み重なってゆくことで、空気は育まれる。
・この空気は学校支援においても、司書教諭や学校図書館職員を通じて伝わっているのではないかと想像する。
・今後は学校支援サービスのさらなる充実とともに、分館整備などを通して、大崎市図書館の空気が市内の隅々にまで広がり、住民の自立や大崎市のまちづくりにつながってゆくことを期待したい。
・なお、そんな素敵な図書館にも、新型コロナウイルスの影響は容赦なく及んでいる。感染拡大防止のため3月3日から休館し、予約した図書などの受け取り、借りた図書などの返却など、一部のサービスに限って利用できる状況になっている。この措置は3月31日まで続く予定だが、そんな厳しい状況の中でも、住民の知的欲求に応え、不安を少しでも和らげるべく、3月17日から図書等予約可能点数の上限をなくすといった、懸命の努力が重ねられている(詳細は以下のウェブページ参照)。(神代)

■大崎市図書館における新型コロナウイルス感染防止のための休館について(令和2年3月13日更新)
https://www.city.osaki.miyagi.jp/index.cfm/18,37035,73,html



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図書館サービス向上委員会